まともなチームの作り方

WILD359ersフラッグフットボールチーム(以下フラッグス)はこの秋(注:2007年)、日本一を目指し秋季リーグに参加しました。

聞きなれないこのスポーツはアメリカンフットボールの簡易版で、近年その教育的価値の高さから注目を受け、フラッグスが戦った埼玉・東京地区ブロックでは計25チームものエントリーがありました。そのため10月14日から始まった大会は約2ヶ月にも及ぶ長い戦いとなりました。

結果は健闘空しく地区ブロックで敗退となりました。しかし、子どもたちは勇敢にまともに立ち向かってくれました。“勇敢にまともに”という表現はおかしいかもしれません。しかし、私たちはまともな戦いをするまでに3年の年月を費やしたのです。

3年前の立ち上げ当初を思い返すと、そもそも“まとも”からは程遠い存在でした。他チームが指導者に元アメフト選手の経験者を揃える一方、私たちはルールすらおぼつかない状態でした。初めて参加した大会ではルールすら徹底されていないチームに対し、非難の声を浴びました。これではいけないと考え、ある者は他チームの練習に出かけトレーニング法を学び、ある者は指導者講習会に出かけ基礎的な理論を学びました。それぞれが学んだことを何度も重ねたミーティングの中でチームのノウハウとし、一歩ずつ指導の質を高める努力をしました。

現在、チームが抱える課題もまともなものです。今年度が終わると、指導の中心にあたっていた4年生と、プレイヤーの約半数の6年生が卒業でチームを離れます。積み重ねたノウハウを次の世代にいかに伝えるか、いかに存在をアピールし参加者を集めるか・・・多くの地域スポーツ関係者が悩むであろう“まともな”課題にぶつかっています。

先日、初めて保護者とともに来年度以降のフラッグスの活動について話し合いを行いました。ある課題には道筋が見え、ある課題は今後も検討することになりました。“まともな”チームになるために努力を1つずつ積み重ねていったように、今、立ちはだかっている課題にも一歩一歩関係者と手を取り合って解決していこうと思います。

最後に。先日、フラッグス参加者に将来の夢を聞きました。目立ったのは「アメリカンフットボールの選手」という答え。背負っているものの大きさをしかと受けとめ一歩ずつ夢に近づく手助けをしていきたいと思っています。

WILD359ers 高橋丞二

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*この文章は2007年にWASEDA Club2000の会報誌に掲載されたものです。